Choose Your Weapon

このたびHIRO OKAMOTOにて、左刀大地個展「Choose Your Weapon」を開催いたします。 

左刀大地は1985年埼玉県生まれ。2009年に沖縄県立芸術大学を卒業後、現在まで沖縄を拠点に活動しているアーティストです。左刀にとって東京で2度目の個展となる本展では、東京での6ヶ月間のリサーチをもとに制作された新作シリーズを発表します。

本展のシリーズのテーマは「日本社会における戦いとエンパシー」です。エンパシーとは異なる立場の人の心情に立って、その相手がどのように考えているのか、なにを感じているのか想像すること。社会のなかでさまざまな断絶を起こしているギャップについてリサーチし、そこで起きている戦いとエンパシーを感じ、冷静に分析する左刀の思考の過程をたどる展覧会となります。

新シリーズの画中には、各々の立場に立ち、戦う人物が描かれています。戦いに向かうもの、戦う決意をしたもの、敗れたもの、躊躇するものと、それぞれの戦う姿が見て取れますが、彼らがヒーローなのか、ヴィランなのか、犠牲者なのか、また何と戦っているのかということは明確ではありません。これらのイメージは昨今日本で起きた出来事とリンクしており、TVやネットで流れる情報だけではアクセスすることが難しい対象へのシンパシーを刺激し、イマジネーションを他者へと広げます。

左刀はこれまでの展示において、関わりあわない異なる世界線に生きる人たちに関わりを持たせる試みをしてきました。本展では、無関心のうちに見過ごされ虐げられる存在と、無自覚のうちに虐げる立場に立っている存在のお互いのギャップを無効なものとして、関わりを持つ空間をつくり上げます。鑑賞者はヒーローであり、ヴィランであり、またサポーターでも、傍観者でもあり得ます。どの立場に立つかは鑑賞者自身に委ねられています。日常のなかに潜むとりとめのない断絶を、作家がどのように手繰り繋ごうとするのか。是非ご高覧ください。

アーティスト・ステートメント |

タイトルとなっているこのフレーズ「Choose Your Weapon」はビデオゲームで表示される決まり文句です。現在我々は戦いが身近な中で生活をしています。社会の中で自分の居場所を確保するための戦い、自分の権利を勝ち取るための戦い、誰かを守るための戦い、また戦争に向けての準備が急ピッチで進み、ミクロの視点においてもマクロの視点においても、戦いが近くにある昨今であるといえます。自分で選ばなければ、誰かに武器を持たされ、自分の意思と関係のない戦いに巻き込まれてしまう状況にあるのではないかと考えます。どんな武器を使って、何のために、何と戦うのか、どう戦うのか、我々は考え、意見を交換して、選択をしていかなければいけないと考えています。

左刀大地

ー 個展詳細 ー

「Choose Your Weapon」

左刀大地（Daichi Sato）

会期：2023.08.19（土） - 09.03（日）

開廊時間：11:00 - 19:00 

休廊日：なし

場所：東京都渋谷区神宮前3-32-2 K’s Apartment 103

※御来廊いただく際は、正面玄関インターホンにて「103」をお呼び出しください。