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Handle with Care

HIRO OKAMOTO 第21回目の展示は、Soh Souenによる個展「Handle with Care」を開催いたします。 弊廊の柿落としを飾ったSoh Souen。 二年ぶりとなる弊廊での個展。 この二年間の彼の変化を感じられる内容になると思います。 継続して彼のような作家と一緒に展示を作れることを幸せに思い、 そして、改めて日々ご来廊いただく皆様に感謝をしております。 本展では、Soh Souen初の作品集となる「Handle with Care」も発表いたします。 (会場でも販売をいたします/一部 3,520円(税込)※現金のみ)

Handle with Care
Handle with Care

Date/Access

2024年7月13日 11:00 – 2024年7月28日 19:00

HIRO OKAMOTO, 日本、〒150-0001 東京都渋谷区神宮前3丁目32-2 K's Apartment 103

Introduction

 “生とは(生の実感)、自己と世界に境界を引き続けること?”

 本展の準備と並行して行っていた作品集の製作のために過去の日記を読み返していると、こんな走り書きを見つけました。ここ数ヶ月、この問いを出発点にして、わたしたちの身体にある無数の穴や、わたしたちの内側にも外側にも存在する空気を手がかりにプラクティスを重ねてきました。

 哲学者のエマヌエーレ・コッチャは、「わたしたちが生まれるのは、わたしたちがみな、その魂と身体とにおいて、世界の一部に過ぎないからだ。生まれることはこの点に集約される。すなわち、わたしたちはメタモルフォーゼ、つまり世界の肉の微小な部分の微々たる変様以外の何物でもない。(中略)わたしたちは、今のわたしたちになる以前には、両親の身体の一部であったし、わたしたちの世代が生まれる以前の身体の一部であった。」1と述べています。わたしたちは大きな生命の循環の中に存在し、そこから逸脱することも、接触を欠かすことすらもできません。

 しかし、わたしたちはただ一つの同じ生であり、その変様のみが存在する。という考え方は、現在世界で起こっている残酷な虐殺や争いを、大きな生の視点から、人類が増え過ぎて人口調整をしている自然な営みだ。といった考え方や、日本がかつて経験した全体主義的な思想へ傾倒する可能性を孕んでいるようにも思えます。

 上で引用したコッチャの言葉に深く頷いている自分もいます。様々な分断の時代に生きているからなのかもしれない。世界と何かを区切ることによって生まれる「自己」とは人間がよりよく生きるために仮定した概念なのかもしれない。そのように考えを膨らませていくと、新たな問いにぶつかりました。

 もし、よりよく生きるためにわたしとあなた(世界)を隔ておく必要があるならば、どのような態度で、その溝と、他者と関われば良いのでしょうか?

 本展にご来場いただいた皆様と、作品を通して共に考える機会となれば幸いです。

1.エマヌエーレ・コッチャ『メタモルフォーゼの哲学』勁草書房、2022 年

ー個展詳細 ー

「Handle with Care」

Soh Souen|ソー・ソウエン

会期:2024.07.13(土) - 07.28(日)

開廊時間:11:00 - 19:00

※初日の7/13は12:30-19:00となります

休廊日:なし

場所:東京都渋谷区神宮前3-32-2 K’s Apartment 103

※御来廊いただく際は、正面玄関インターホンにて「103」をお呼び出しください。

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